日本のアスレティックトレーナーにはどんな働き方があるか?という疑問に全力で答えてみた。

こんにちは。ゆうこりんです。

先日、私が働く病院のトレーナー部門の就職説明会に参加される学生さんとお会いして、個人的にお話する機会がありました。

そこで感じたのは、「アスレティックトレーニングを組織で学んでいる子でも、意外とどんな就職先があるか、そもそもどんな働き方があるか知らないんだな」ということでした。

私はアスレティックトレーナー(AT)として就職こそしていませんが、人と仕事の話をすることが好きなのもあり、セミナー後の懇親会や友人の知人など、意外と狭いコミュニティのなかでATの知り合いの輪はどんどん広がって行くので、結構ATの人たちがどんな仕事をしているかを聞く機会が多くあります。

この『スポメディ!』でスポーツ医学やアスレティックトレーニングに関わる人やコンテンツを取り上げているのも、そういった情報が一ヶ所に集まった場をネット上に作りたいと思ったことが理由の一つです。

そこで今回は、カテゴリー別に分けてATってどんな働き方をしているのか?を一挙に紹介します。

もちろん収入を得る方法なんて今や無限大にあるので、ここに書いてあることが全てではありません。

一般企業のように企業説明会やOB訪問などが充実していない業界ならではの就活の難しさがあると思うので、何か一つでも参考になることがあれば幸いです。

なお、今回は「日本で仕事をするなら」というテーマなので、進学や、アメリカのようにGA/インターンなどは含めていません。

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就職する場合

新卒の場合、ほとんどの方がとりあえず就職先を探すことになるかと思います。

そうすると、

  • 正社員として雇用される
  • パートタイマーとして雇用される
  • 単年契約を結ぶ

こんな感じの選択肢があるのではないでしょうか。

正社員として雇用される

一口に正社員の仕事といっても、いろいろあります。

1.アスレティックトレーニングの実践や運動指導を主にする仕事

  • 病院やクリニックで働く
  • トレーニングジム、フィットネスクラブで働く
  • ATの派遣業務を行なっている会社の社員として、現場に出る
  • 大学や高校など学校職員として学生アスリートをみる
  • 日本〈スポーツの名前〉協会などに所属し、代表選手や育成世代をみる(※これは”正社員”という位置付けで正しいのかはわかりませんが、単年契約ではなく継続性のあるポジションだと考えます)
  • その他、公的/私的な組織で運動指導をする(スポーツ科学センター、ヨガやピラティススタジオなど)
  • 舞台芸術、パフォーミングアーツの分野(劇団四季、オリエンタルランドなどのパフォーマーやダンサーを対象)※単年契約の場合もあると思います

2.ATに関連するそれ以外の仕事

  • 学校教員になる(大学、高校、中学、専門学校など)
  • 研究者になる
  • TRXやストレッチポール、グラストンなど、ATやトレーニングに関わる商品を扱う会社で働く
  • 整骨院、接骨院、マッサージ店など、その他の健康産業で働く

教員(授業を教えるという意味)をされながら、その学校のアメフト部のトレーナーもするというように、現場の仕事も同時にされている方も多いです。

3.運動指導に関連しない仕事

  • 一般企業で働く
  • その他の資格や専門性を活かした仕事(私はここだと思います)

パートタイマーとして雇用される

パートタイマーとして働く場合も、具体的な仕事の内容自体は正社員の場合とそう変わらないことが多いです。

私の勤務先でもほとんどのATは正社員ですが、パートタイマーとして週◯時間だけこの職場で働き、他での仕事(正社員は副業禁止ですが、パートタイマーはOK)もしている人もいます。

なので違いがあるとすれば、

  • 一月に一定以上の勤務時間がないと社会保障がない
  • 正社員より責任や負担が軽かったり、辞めやすかったり、シフトの自由がききやすかったりすることがある
  • 規則に縛られず、他でどんな活動をしていてもわりと自由なことが多い

などでしょうか。ただしここに書いたことは私の個人的な意見が大きく、また職場による契約内容の違いも大いにあるのでふわ〜っと軽い参考程度に見てください。

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単年契約を結ぶ

  • チームと契約する

大学の部活(大学との契約ではなく、チームとの契約)や、社会人、プロのスポーツチームとの契約は、年俸を決めて単年契約(シーズンが終わると契約更新するかしないか決める)であることが多いです。

独立する場合

特にATの場合は、何をもって「独立」というかは微妙なところです。

記事として読みやすいようにカテゴリーにわけてみましたが、必ずしもこの通りではありません。

ここでは、

  • フリーランスとして働く
  • 自分のビジネスを持つ

の2つのパターンで整理してみましょう。

フリーランスとして働く

私が上の「雇用される」と区別して、ここに「フリーランス」とカテゴリーを分けた理由は、健康保険や年金などの社会保障を①会社が払っているか、②自分で払っているか、の違いとしました。組織と契約書を交わし、お給料をもらうのは「雇用される」と同じです。

この②の自分で払っているの部分が、個人でなく自分で法人登録をして、そこから払っていると次の「自分のビジネスを持つ」に分類されるわけです。

フリーランスとして収入を得る方法はいくらでもありますが、ATでよくある働き方として「パートタイマーの仕事を複数掛け持ちする」というものがあります。

  • 複数の社会人/学生スポーツのチーム(週◯回の指導で◯円などの契約)で働く。
  • スポーツ現場と、セミナー業や専門学校の講師などの仕事をする。

など。

「掛け持ちする」と書いたのは、フルタイムほどの頻度でなければ一ヶ所からの収入のみで生活するのは難しいことや、オフシーズンなどで仕事がない(収入がない)時期が偏らないようにするなどのリスクヘッジも考慮し、週に数回、月に数回の仕事を複数契約することで、Aの仕事からは月10万、Bからは12万、Cからは8万で月30万の手取り収入を得る。というような働き方です。

また、他のカテゴリーとの組み合わせてパートタイムの仕事をされている方も多いです。

たとえば、

  • 自分のビジネスを持ちながら(開業・起業)、パートタイムでスポーツ現場の仕事もする

というのも可能です。

自分のビジネスを持つ

自分の人生をかけて本当にやりたいことの実現のために、法人登録をしてビジネスを起こす、という働き方もあります。

これはAT業界に限ったことではありませんが、組織の一員としてある程度の経験を積まれた方がこのような道を選択されることがほとんどです。

ATの方に多いビジネスとしては、

  • 自分の治療院やジムを持つ
  • 会社を起こす
  • NPO法人の代表となる

などがあります。

自分でビジネスを起こす人は、ATとしての専門的知識や技術はもちろん、マーケティングやコミュニュケーション能力、法律や経済、ITなど様々なスキルが必要であり、ATやスポーツに関わらず世の中のあらゆる分野の人とのつながりを構築する必要があります。

まとめ

この記事では、今までにお会いしたり聞いたりしたあらゆるアスレティックトレーナー(AT)の方のお話を思い出しながら、ATの働き方や仕事の仕方についてまとめてみました。

もちろん私はこの業界の全ての仕事を網羅してるわけではありませんので、

「こんな働き方もあるよ!」

「これが載ってないぞ!」

などの情報があれば、ぜひ教えてください。

私もいろいろな働き方やお仕事についてもっと知りたいです。

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ゆうこりん

BOC公認アスレティックトレーナー(ATC)でもある整形外科看護師です。 スポーツ医学やアスレティックトレーニングをテーマに空き時間に気軽に読めるメディアを運営。スポーツイベントの救護、スポーツ医学関連団体の広報担当などの活動も行なっています。 内科・耳鼻科・眼科混合病棟→米大学院→スポーツ整形外科。

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BOC公認アスレティックトレーナー(ATC)でもある整形外科看護師です。 スポーツ医学やアスレティックトレーニングをテーマに空き時間に気軽に読めるメディアを運営。スポーツイベントの救護、スポーツ医学関連団体の広報担当などの活動も行なっています。 内科・耳鼻科・眼科混合病棟→米大学院→スポーツ整形外科。