渡米して半年。アメリカでの最初のアスレティックトレーニング実習は珍プレーの続出

こんにちは。ゆうこりんです。

以前、大学院でのカリキュラムを紹介する記事を書きましたが、そこに「アスレティックトレーニング実習」という授業が毎回出てきました。

https://spomedi.net/curriculumofbsu/

実習は、アスレティックトレーニング(AT)の勉強をする上である意味最も重要と言える、めちゃくちゃ大事な要素です。

どこでどんな経験を積み、どんなプリセプター(ATCの資格を持った現場の指導者)に出会うかで、その後の「AT観」に大きく影響することもあります。

やはり、「体験」ほど大きなインパクトを与えるものに勝る学習方法はありません。

アメリカのアスレティックトレーニング実習に関しては、高校、病院、はたまたメジャーリーグからNFLまで、本当に様々なところで経験を積んだ多くの友人の貴重な話がたくさんありますが、人から聞いたネタを淡々と垂れ流しても仕方ないので今回はまず、私が2年間で経験した実習のお話をハイライト形式でお届けします。

1年目の秋、初めての実習はBSU

私にとって、AT学生として記念すべき初めての実習先は自分の学校であるブリッジウォーター州立大学(BSU)のアスレティックトレーニングルームでした。

というのも、このとき私はまだ渡米してわずか半年で、車を持っていなかったんですね。

普段授業を受けている建物の1階にあるアスレティックトレーニングルームでの実習は、「アスレティックトレーナーの実習って何すんの?」という感じで、右も左も上も下もわかっていなかった私にとっては、余計な心配をせずに落ち着いて学べる環境で、まさに最初にふさわしい実習先でした。

ちなみにBSUはディビジョン3というカテゴリーで、特にスポーツが強いわけではない小さな学校です。

「これでいい?あってる?」記録書くのがめちゃくちゃ大変

BSUでは、怪我をして最初にアスレティックトレーニングルームを訪れた選手の問診をしながら、評価を記録する紙をけっこうきっちりつけていました。

私もある程度慣れてくると、記録用紙とペンを持って選手の評価をするようになりました。

「ハイ、私はユウコ。AT学生だよ。よろしくね」

「今日はどうしたの?」

こんな会話から評価を始めていきます。

そしたら選手も、

「ハイ、ユウコ。僕はシェーンだよ。今日ここに来たのは、右の足首が痛くなったから見てもらおうと思って。実は先週くらいからちょっと痛かったんだけど、冷やしたりして様子を見てたんだよね。でも今日の練習で相手にアンクルホールドされたときに超痛くなって、そこからまともに歩けないくらいになっちゃってもうヤバイと思って。そういえば膝もちょっと痛いかもしれない。この膝もね、去年・・・」

ちょいちょいちょい、待って待ってストップ。

そんな一気にしゃべられても。

何したときにどうなったって?

え、アンクルホールドって何?

そもそも君、何部?

まじで、受傷機転が追えません。各スポーツの技の名前も知りません。S(主訴)情報に選手が言ったことをそのまま書きたいけど、うまく文章が作れません。そもそも単語のつづりがわかりません。

なんということでしょう。

いや、実際けっこう困ったんですけど、まごまごしててもそこで止まってても仕方ないので、「ここはアメリカじゃ!堂々とすべし!」と強気になった私は、

「待って。書かなあかんけど私外国人だし、文章うまく作れないから。短い文章で簡潔に言って」

「これ見て。このスペルあってる?ここpであってる?」

と、選手にぐいぐい聞いて文書を完成させていました・・・。

これ、間違ってもディビジョン1とかではやってはいけませんよ。

あくまで私たちアスレティックトレーナーは、選手をサポートするためにいるんですから(お前がいうなって感じだけど)。

でも私は真剣でした。真剣に彼らの話を聞いて、真剣にプセプターと治療と処方するエクササイズを相談して、真剣に選手に説明していました。

むしろ彼らとこういう話をすることで、黙っているより何倍もいいコミュニケーションとなったので、もう二度とこの状況に戻りたいとは思いませんが、とても貴重な学びとなりました。

本当にみんないい子ばかりで、とても感謝しています。

アスレティックトレーナーは抜糸もする?

ある時、私のプリセプターが女子サッカー部の選手に何やら処置をしようと物品を準備していたので、何か手伝えることないかな〜と見にいきました。

その選手はアウェーの試合で怪我し、現地の病院で唇の内側を縫合したけどもう数週間経って傷が治ったので、抜糸をしようということでした。

まぁ抜糸のためだけにわざわざ縫ってくれた隣の州のドクターに会いにはいきませんね。

でもATって抜糸までやっちゃうんや。ほほー。

などど思いながら手袋をはめて患部を見やすいようにプリセプターのために広げてあげていたら、さすがの彼女も

「いや私、こんな口の傷の糸なんて切ったことないわ・・・。どうしようかな。唇切っちゃいそうでこわい。」

「ユウコ、あなたナースでしょ?抜糸とかできるよね?私がやるより絶対うまいはずよ」

と、いきなり私にセッシと抜糸用のハサミを渡してくるではありませんか。

何を隠そう、私はもと耳鼻科のナース。

抜糸そのものこそしたことはありませんが、口腔内や咽頭内の抜糸の介助にはいつもついていたので、どんなノリでやるかはもちろん知っています。

実習ではいつも教えてもらってばかりで大して活躍していないので、ここは腕の見せ所〜とばかりにドヤ顔でセッシとハサミを受け取り、ぱちぱちぱちと、5〜6箇所の縫合部位をきれいに抜糸してあげました。

選手もプリセプターもにこにこ。

私もにこにこ。

しかしアメリカでの出来事とはいえこれは秘密なので、内緒にしておいてください。

ハロウィンの日は仮装して働くのが当たり前

10月31日はハロウィンですね。

最近の日本でもハロウィンの仮装が流行っていますが、アメリカでは流行りとかではなく、もう「寒いから上着を着る」くらいの勢いで、「ハロウィンだから仮装」して学校とか職場に来ます。

私のプリセプター(かわいい)も、全身黒のピチピチにパーティグッズの猫耳という出で立ち。

私よりひとつ学年が上の子も、プリンセスのようなティアラにチュチュをまといつつ、何事もなかったかのようにテーピングを巻いています。

選手も、女子サッカー部の子なんかはチーム内で誰の仮装が一番かって賭けをしてくるくらいガチンコの仮装でした。

そこでヘッドアスレティックトレーナーが登場。

「仮装用の化粧品あるから、これも使いなさい。」

と、白塗りのドーランとか血のりのインクなどがどっさり入った化粧ポーチを、テーピングテーブルに投げ捨てていきました。

ここで私のアーティスト性が爆発。

「私がやりましょう!」と、いつもは見せない謎の積極性をここぞとばかりに前面に押し出し、可愛い猫耳なんぞつけてクソ甘いスイーツ・・・いや”コーヒー風味の砂糖”みたいなアイスコーヒーを飲んでいるプリセプターを椅子に座らせ、

がおー。

可愛いゾンビキャットに変身させてあげました。

ゆ「こんなふざけた顔してて、もし救急車を呼ぶような自体になったらどうすんの?」

プ「もちろんこのままの格好で選手を救急隊に引き継ぐわ。しょうがないじゃない、ハロウィンだもの。救急隊員もわかってくれるわ」

まとめ

いかがだったでしょうか。

いかがもクソもないですかね。

実習こんなんだったよ、という話を書きたかったのですが、あまり勉強の部分が見えない内容になってしまいました。

もちろん普段は真剣にスペシャルテストの練習をしたり、怪我の評価をしたり、練習のカバーをしたりしてました。

各セメスターごとに成績評価のための提出物はありましたが、日本の看護実習のように、毎日A3用紙に小さい文字でみっちりその日の行動計画書いたり看護計画立てたりするなんてことはありません。

実習はある程度現地でのフリースタイルだったので、何をどれだけ学べるかは自分次第です。

初めての実習は、最初は戸惑うことも多かったですが、テーピングも実践的に巻けるようになったし、とても学びのあるセメスターでした。

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ゆうこりん

ゆうこりん

BOC公認アスレティックトレーナー(ATC)でもある看護師です。 現在は整形外科で病棟看護師として働きながら、スポーツ医学やアスレティックトレーニングをテーマに空き時間に気軽に読めるメディアを運営。休日にスポーツイベントや大会の救護などの活動も行なっています。 内科・耳鼻科・眼科混合病棟→米大学院→スポーツ整形外科。

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BOC公認アスレティックトレーナー(ATC)でもある看護師です。 現在は整形外科で病棟看護師として働きながら、スポーツ医学やアスレティックトレーニングをテーマに空き時間に気軽に読めるメディアを運営。休日にスポーツイベントや大会の救護などの活動も行なっています。 内科・耳鼻科・眼科混合病棟→米大学院→スポーツ整形外科。