資格を取り“トレーナー”になったその先へ、何を目指して生きるのか。自分を知る6つの質問

こんにちは。ゆうこりん(@koji_i003)です。

この記事は、「自分が目指すもの」をしっかり見据えた目標を持ち、周囲の人や環境に流されないキャリアプランを作るためのヒントとなるコラムです。

ゆうこりん
個人的な話ですが、私は以前プロのコーチから定期的にコーチングセッションを受けました。コーチングを始めてから、家族からも言われるくらい、人生への態度や考え方に大きな変化がありました。

不必要に自信をなくして落ち込むことはほとんどなくなり、本当に自分が目指したいことがクリアになったおかげで、以前よりも「目標を立て、気づけばそれをちゃんと達成している」ということが多くなりました。

私がコーチングで学んだ考え方は、トレーナーとしてどうやって生きていくか迷う若者はもちろん、どんな状況にある人にでも役立つTipsだと思うのでシェアします。

こんな人におすすめ

  • 将来どんな仕事をしようか迷っている学生トレーナーの方
  • 自分のキャリアプランに悩む方
  • 「成功しているトレーナー」に憧れる方 など

最後に10分くらいでできるワークがあるので、おうちでコーヒーでも飲みながら手帳のメモスペースにでも書いてみてください。

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「アスレティックトレーナー」ってどんなイメージ?

さて、私はアメリカのアスレティックトレーナー(ATC)の資格を持っていますが、現在のメインの仕事は日本の看護師です。

看護師という仕事はある程度社会的に確立されたものであり、「誰でも看護師がどんな仕事をしているのか何となくイメージがつく」ほどには世間一般に認知されている言葉です。

▲いまどきナースキャップを被っている病院はほとんどないが・・・

一方で、「アスレティックトレーナー」はどうでしょうか。

おそらく、一般の人にとっては

「アスレティック?運動のトレーナー?」

「体の鍛え方を教える人?」

というように、その言葉がどんな仕事を意味するのか、全くイメージできないものだと思います。

「ATC」「アスレティックトレーナー」って何ですか?

2018-03-02

「アスレティックトレーナーといえば、こういう仕事をしている人」というイメージを、全員の頭の中に同じように描かせるのがちょっと難しいこの職業。

その勉強を始めるために学校に通うことを決めた人でも、最初に抱いている仕事のイメージは人によって大きく異なるのではないでしょうか。

また、たとえば「ずっと野球をやってきて、ケガで苦しんだから自分もそういう選手を助けられるようになりたい」などといった動機でアスレティックトレーニングを学び始めた人も、いざその世界に足を踏み入れてみると、

いろんな人に出会っていろんな仕事の仕方を知っていくうちに、それまでは見えていなかったアスレティックトレーナーと社会との関わり方の可能性の広さに、また違った魅力を感じることになるかもしれません。

もちろんこれはこの業界に限った話ではありませんが、「仕事の仕方のバリエーションが十人十色すぎて、どうやってキャリアを築いていくのが最も自分に合っているのかわからない」という悩みをめちゃくちゃ抱きやすい世界だと思います。

ライフステージによって人の考え方は変化するもの

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そもそも、現代で暮らす大半の人が20歳前後でイメージできる働き方や仕事、キャリア像って、まだまだ深い霧の中であることがほとんどだと思います。

仕事観とか言われても、よくわからない。

それが普通ではないでしょうか。

ゆうこりん
私が大学1年生のときは、将来は「看護師として病院で働くか、保健師として行政で働くか」の2択くらいしか考えていませんでした。

今から思えば驚くような視野の狭さですが(笑)、他に検討する材料をほとんど何も持っていなかったので、ある意味仕方ないのかもしれません。

アスレティックトレーナーの方々の話から見えてきたこと

私は社会人になってからアスレティックトレーニングというものの存在を知り、その教育課程で学ぶ内容にとても魅力を感じて、渡米し本格的に勉強を始めました。

個人的に特別な原体験もなく、職業自体には元々どんなイメージも持っていなかったので、ある意味わりと客観的にこのprofessionのよさを見ているのではないかなと勝手に思っています。

自分も実習やインターンを経てATC(アメリカのアスレティックトレーナー)になってからは、よりこの業界の方たちのキャリアや仕事観のお話に胸が熱くなることも多く、ついつい出会う方々には仕事やこれまでのご経験について色々聞いてしまいます。

たくさんの方にお話をうかがって、気付いたことがあります。

それは、アスレティックトレーナーを目指すことを決めた当初と、現在の仕事のスタイルに落ち着くまでには、誰しも少なからず考えが変化している。

ということでした。

初志貫徹するのが難しいとか、考えが変わるのがいいとか悪いとか、そういう話じゃないですよ。

ゆうこりん
経験の量やライフステージの変化で、見えている世界の広さや大事にしたいことは、その都度変わっていくものですよね。

ってことです。

元JリーグのアスレティックトレーナーBさんの話

以前Jリーグのチームで仕事をしていたATの方からこんなお話を聞いたことがあります。

Bさん
あの時は年俸○○万くらいだったかな。そのあと子供もできたし、ヘッドコーチが変わったりとかまあ色々あって、今の仕事に変えた。

年収は減ったけど、社会的な安定があるのはとてもいい。今の方が自由に好きなことができるし、やりたいこともあって楽しくやってる。

年齢的にも、もうチームで働くトレーナーはやらないかな。

この方はお話を聞いた当時40代なかば〜後半だったと思いますが、「サッカーが好きでATになった人であれば、一度は誰もが憧れるであろうJリーグで仕事をバリバリやっていた人でも、ライフステージの変化によって『もうこの働き方違うな』とかって思うのか・・・」と感じたのが印象的でした。

当然といえば、当然なんですけどね。

この話を聞いたときは私も今よりちょっと若くって、えー!この人でもそんな理由で辞めちゃうんだ、意外。みたいに驚いた記憶があります。

何も考えずに「ただ乗ってればいいレール」があんまりない

ライフステージの変化とともに、人の考え方は変化していくもの。

これはどんな人にも当てはまることですが、“トレーナー”としてのキャリアを歩む人を特に悩ませるのが、「ライフステージの変化にも対応できるように、たくさんの先人たちが通って作った安定の道」が日本にはほとんど存在してないことです。

もちろん一概にはいえませんが、もしこれが看護師であれば「自分は本当はどうしたいのだろう?これからどんなスキルを選択して学ぶべきか?」とかそんなに自問自答して悩まなくても、とりあえずどこかの医療機関に就職して与えられる仕事をきちんとやっていれば、自然にやるべきことも出てきて、それなりに安定した生活が維持できます。

しかし、“トレーナー業”では、「とりあえずこの流れに乗っとけばいっか」というような甘い考えでは、望み通りの生活を送ることが難しい場合が多いのではないでしょうか。

これは業界全体の平均収入などその業界の特性に関連することでもありますが、個人レベルの話でいえば

  • 仕事やポジションを自分で作る必要がある
  • 自分は何ができるかを、他人がわかるように説明できなければいけない
  • 自分は何がしたいのかを自分で考えて決めなければいけない
  • どんな方向にスキルを伸ばすのか、自分で戦略を立てなければいけない

など、キャリアを考える上で自分の頭で考えて決めないといけないことが多い職種であるとも言えるでしょう。

「成功するトレーナー」に王道はない

アスレティックトレーナーのバックグラウンドを持って仕事をしていて、すごく稼いでおられる方、社会的にとても尊敬されている方、本を何冊も出版されている方などはたくさんおられます。

語弊を恐れずに表現すると、そういった「成功しているトレーナー」の方々のお話を聞いて、こう思う人も多いのではないでしょうか。

どうすれば彼らのようになれるのか?

ゆうこりん
私も気になります。

彼らはなぜ「成功している」のか?

アピールできる仕事歴があるから?

他にもいろんな資格を持っているから?

起業したから?

プロアスリートの顧客がいるから?

ビジネスの才能があるから?

いろんな要因が考えられると思うんですよね。

“すごい人”に共通していること

成功者の定義がはっきりしているわけではないのですが、アスレティックトレーナーに限定せず、少なくとも私が「すごい人だな」と思う人たちと直接話したり、そういう人の話を聞いたりしていて思うのは、

みんな「自分の目指すもの」を追求しているから今があるということ。

こんな経歴、資格、人脈、ビジネスモデル・・・ある人や、ある人の事業が「すごい」理由は色々ありますが、そういう具体的な要素はすべて表面的なものだと私は思います。

ゆうこりん
誰かにとっての正解の方程式をそのまま引用してみても、それが自分にとっても同様に正解であるとは限りません。

大事なのは「何を選ぶか」よりも、「なぜそれを選ぶのか」を自分なりに考えることではないでしょうか。

どういう働き方をして、どんな価値を提供したいか。

それは自分にしかわかりません。

これをすればあの人みたいになれる!という王道の方程式はない。というのが、現時点で私の出した答えです。

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まずは自分が目指したいものを知ること

ここでやっと最初に出てきたコーチングの話に戻ります。

私はコーチと時間をかけて「目標設定」のワークに取り組んできました。

ゆうこりん
私自身、大好きな看護師とアスレティックトレーナーという2つのバックグラウンドを、どう自分の人生とキャリアに生かせばいいのかずっと模索してきました。

そういう意味でロールモデルとなる人や、すでに用意されている求人などがないので、自分で考えるための指針をコーチと一緒に探していきました。

これから紹介するのはその中で行ったワークの1つです。

ここまで「トレーナー関連の人が抱えやすい悩み」をテーマにお話してきましたが、それ以外のどんな方にも役立つと思います。

【ワーク】自分を知る6つの質問

もし、今「自分が目指す程度まで、十分に豊かだ」「求めているものは全て手に入った」と自信を持って言える人は、このワークは必要ないかもしれません。

そうでなければ、以下の質問をじっくり考えて、紙に書き出してみてください。

本当に自分が豊かだったら、どんな生活をしていますか?

  1. 対人関係
  2. 仕事
  3. 家族
  4. 健康
  5. 余暇
  6. 精神面

これだけではちょっとわかりにくいですね。たとえば、こんな風に書いてみてください。

①対人関係
信頼できる人に囲まれている。
お互いに高め合える人間関係を築いている。

②仕事
自分でスケジュールを決めて働く。
様々な場所で、色々な人と仕事をする。

③家族
よく会話をし、コミュニケーションが活発。
夏と冬は一緒に旅行を楽しむ。



という感じです。答えは箇条書きでも単語でもいいし、数に限りはありません。

思わずニヤニヤしてしまうくらい、「本当に豊かな自分」の姿をリアルに頭に思い浮かべながら書いてみてくださいね。

理想を「否定形」で書かない

ここで、一つだけ注意があります。

それは、「否定形で書かない」ということです。

たとえば、

「隠し事をしない」ではなく、「なんでも話せる関係性でいる」とか。

「イライラしない」ではなく、「いつも穏やかな気持ちでいる」とか。

これは脳科学の観点から、イメージが無意識に与える影響を考慮したものです。

次の文章を読んでみてください。

はちみつの入った茶色い大きな壺に、上半身を突っ込んでいるプーさんのおしりを、想像しないでください。

どうでしょうか。

こんな感じの絵を一瞬頭に思い浮かべませんでしたか?

 

雑な絵ですみません

こんな感じで、脳は「△△しない」というキューイングを与えられたら、その△△を素直にイメージしていまうものなんだそうです。

なので、素直に理想をそのまま、直接的な言葉で表現しましょう。

描いたイメージを固めよう

いかがでしょうか。

「本当に豊かな自分」と、空想の中で出会えたでしょうか。

こういうことを普段じっくり考える機会があまりない人にとっては、これを書き出すだけでもなんだか自分の感覚が変わるような気がするかもしれません。

余裕がある人は、これらの要素で構成される「本当に豊かな未来の自分」を視覚的にイメージできる写真などを集めて「ビジョンマップ」を作ってみると、さらにそこへ現実が近づくスピードが上がると言われています。

ゆうこりん
作り方は「ビジョンマップ」で検索してみてね。

もちろん、文字で書いた自分の答えを整理して、ノートや手帳に挟んで頻繁に見返すのもおすすめです。

まとめ

自分がなんとなく考えていることを一度頭の中から出して、目に見える形で整理することは予想以上に効果があります。

たとえばここで、


②仕事:自分である程度スケジュールを決められる、休みを作れる 

と書いた人が、今はチームのスケジュールに合わせて遠征や試合に帯同し、チームのオフが自分のオフとなるような働き方をしていると、仕事自体は大好きでも実はその部分に強くストレスを感じているかもしれません。

もちろん、今すべてが達成されている必要はないと思います。

最初の3年は〇〇の経験を積んで、30代後半になったら▲▲〜というような、長期戦略のためにあえて「今はこれを選択する」という考え方も十分にありえると思います。

ただ、私がこの記事で伝えたいのは「常に自分の目的地を意識した意思決定」を繰り返すことの大切さです。

目的地とは「特定の仕事」などではなく、「自分がどう生きたいか」。

6つの質問からもわかるように、仕事や対人関係というのは、その一部の要素でしかないのです。

もしかしたら年齢やライフイベントで、この質問への回答も少しずつ変化していくかもしれません。

私もまだまだ日々試行錯誤していますが、この記事が人生を楽しむヒントになれば幸いです。

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ゆうこりん

BOC公認アスレティックトレーナー(ATC)でもある整形外科看護師です。 スポーツ医学やアスレティックトレーニングをテーマに空き時間に気軽に読めるメディアを運営。スポーツイベントの救護、スポーツ医学関連団体の広報担当などの活動も行なっています。 内科・耳鼻科・眼科混合病棟→米大学院→スポーツ整形外科。

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BOC公認アスレティックトレーナー(ATC)でもある整形外科看護師です。 スポーツ医学やアスレティックトレーニングをテーマに空き時間に気軽に読めるメディアを運営。スポーツイベントの救護、スポーツ医学関連団体の広報担当などの活動も行なっています。 内科・耳鼻科・眼科混合病棟→米大学院→スポーツ整形外科。