こんにちは。ゆうこりんです。

私は大学を卒業後、看護師という法律で整備され職業としてすでに確立された業界で働いていました。
しかし、多忙で閉塞的な入院病棟での仕事に疲れ、大好きなスポーツに医療従事者として貢献したいという思いで仕事を辞め、アメリカの大学院を卒業してBOC公認アスレティックトレーナー(ATC)になりました。
それからは、私自身も普通の一般的な看護師だった頃は知らなかった日本のアスレティックトレーナー(AT)やその他トレーナー関連の有資格者の仕事、スキルを活かした多様な働き方について色々な方とお話しし、アイデアを広げ、よく考えるようになりました。
今回はリハビリ病院のトレーナー部門立ち上げに従事し、現在は理学療法士の専門学校に通う「腹筋のお兄さん」ことよこさんにお仕事の話をうかがいました。
※2020年4月追記:よこさんはその後、理学療法士の国家資格を取得され、様々な場所でご活躍されています。

病院で働く「トレーナー」ってどんな仕事をするの?
理学療法士とは何が違うの?
こんな疑問を持たれた方は、ぜひ読んでみてください。
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目次
トレーニング指導はなんと病院からのサービス!







よこさんが勤務されていた病院は都心にあるリハビリテーション病院ですが、他の病院との差別化を図るためのサービスとしてこのようなシステムを取り入れたというのも理由の一つだと考えられます。
たとえば脳卒中リハの時間はとても貴重で、単位で決められたPT・OTさんとのリハビリの時間はADL向上のための機能訓練に費やされます。
それ以外にも安全に日常生活を送るためには、病気や手術のせいで大きく低下した筋力の回復や維持(=動作の取得だけじゃなくて、筋力アップ!)が不可欠ですが、リハの時間内でそこまで指導するのは難しいことが多いです。
かといって、「お金を払ったらトレーニング指導もするよ!」と言われても、なかなかその必要性を自覚し、自ら投資する決断に至る患者さんが何人いるかは疑問です。
高齢者の方ならなおさら、もう歩いて家で生活できたら十分。とそれ以上の可能性を考えたりすることも少ないのが一般的です。
よこさんが勤務されていた病院の経営者の方の本当の意図やこれまでの経緯について詳しく知っているわけではありませんが、この超大事だけどニーズが潜在化している(と思われる)部分を、病院のサービスとして形にしていることに感銘を受けました。
本当に患者さんのためになることを考えているんだな、と。
もしかしたら入院費や室料がめっちゃ高いとかあるのかもしれませんが笑、資金をこのような形で使うのは大賛成です。
医療情報を共有した上での安全な指導
▲おしゃれなカフェのテラス席でよこさんのお話をうかがいました





▲チーム医療の一角としてのトレーニング指導。患者さんも安心です
患者さんへのトレーニング指導の注意点
▲バキバキのよこさん。運動指導者として説得力のある身体です。





このように医療従事者の管理の元で、患者さん一人一人の状態に応じてトレーニング指導が受けられるというのは、街のフィットネスクラブではなかなか実現が難しいところです。
- 患者さんの状態の把握と医療情報の共有
- 何かあった場合の危機管理
- トレーナー側の疾患や禁忌への理解と継続学習
- 健康状態に不安があるクライアント側からの指導者への信頼
など、様々な壁があるのではないでしょうか。
入院し手術を受けた病院の管理下で、リハビリのあとさらにトレーニングが安全に受けられるという環境は、人口の30%以上が65歳であるという超高齢化社会がすすむ日本※では、今後もニーズが高まっていくと考えられます(※厚生労働省のデータより)。
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トレーナーの介入で退院後のセルフエクササイズ継続率が向上!
▲医療系の本や解剖アプリ談義で盛り上がりました




(イメージ画像)
「トレーナーの就職先」が増やせた



▲退職の日に、今後の決意を込めた1枚。かっこいい
現状では、退院後にトレーニングを継続する受け皿がない






日本の医療保険制度は国民全員が平等に医療が受けられる制度になっていて素晴らしいけど、だから病院に行かなくて済むように自分の健康を大事にしようと考える人が少ない。
病気になってからじゃ遅いんです!
自分で知識をつけて、病気にならないようにすれば受診率も減り、国の医療費の削減にも繋がります。

リハビリ病院のトレーナーとしてトレーニング指導をする中で、現代の日本が抱える多くの課題に気づいたよこさんは、ここでお話いただいたように【予防医学】の重要性に気づき、今後の活動の指針として様々な活動や発信をされています。
「きちんとアップデートされた医学的知識を持ち、医療従事者とコミュニケーションを取って、健康上の問題がある人に運動指導ができる」というスキルを生かし、社会に貢献されています。
どこの医療機関でもすぐにこのようなトレーナーとリハビリが連携する環境を作れるわけではないと思いますが、個人的には「医学的知識」と「トレーニング指導」は非常に相性がいい組み合わせだと強く実感しています。
よこさんの今後のご活躍をこれからも楽しみにしています!
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ゆうこりん

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