こんにちは。スポーツ看護師のゆうこりん(@koji_i003)です。
【UCLAで働く現役医師】が、多くの信頼度の高い文献を引用し、エビデンスに基づいた本気の健康な食事の本を書いたのに、「タイトルが怪しい」「また新しいトンデモ”健康本”かと思ったら、津川先生の本だった。なぜこんな残念なタイトルをつけてしまったのだろうか・・・」などど、発売前からSNS上でにわかに話題を読んでいた書籍をご存知でしょうか?
それは、『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事/津川友介著』という本です。
私もネットで予約してゲットし、先日読み終わったのでレビューします。

発売日前に予約して本を買うなんて私にとってはよっぽどなんですが、ツイッターでのこういったやりとりを目にしていたからこそ

と、発売日が近づくにつれて盛り上がりが加速するタイムラインに興味をそそられまくり、モチベーション全開で購入→読了に至りました。
何でこんなに怪しいタイトルにしちゃったのかしら、津川先生の本なのに。。。 https://t.co/kAjTmiVdTZ
— Watabo- (@zae38) March 23, 2018
https://twitter.com/yusuke_tsugawa/status/977016477986402304
この書籍のタイトルに関する様々な議論を目にするまで、私は恥ずかしながら津川友介先生のことを存じ上げなかったのですが、ご本人のツイッターでの振る舞いや、世間からの信用の高さを見て「この方の書いた本なら信頼できる」と確信し、津川氏のツイッターアカウントもフォローさせていただきました。
発売後は本の内容に関する様々な質問などにも誠実に対応され、医学に関する有益な情報も頻繁にツイートされていますので、ぜひ皆さんもフォローしてみてください。
津川友介氏のツイッターアカウントはコチラ。

なんだか著者の方の宣伝みたいになってしまいましたが、さっそく本の内容について見ていきましょう。
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目次
白米などの白い炭水化物は「健康に悪い」という、ショッキングなエビデンス

ざっくり書くと、最新の研究を元に明らかになった、この本で主に述べられている食事と健康に関する事実は以下です。
「健康に良い」ことがわかっている食品
- 魚
- 野菜と果物
- オリーブオイル
- ナッツ類
「健康に悪い」ことがわかっている食品
- 牛肉や豚肉などの赤い肉
- ハムやソーセージなどの加工肉
- 白い炭水化物
- バターなどの飽和脂肪酸
なぜこれらのことが言えるのかは、国内外で行われた研究結果と、それらの文献を総合的に検討したメタアナリシスからのデータを用いて、本文中で論理的かつ丁寧でわかりやすく解説されています。
その中でも特にショッキングで、すんなりとは受け入れがたいのは、白米(などの白い炭水化物)が「健康に悪い」というエビデンスがある、とはっきりと書かれていることではないでしょうか。
この白米に関する話だけで、ひとつの章の1パートを使ってじっくりと説明されているほどです。
最近では糖質制限ダイエットがブームで、美しく痩せるためには白米をあまり食べないほうがいい、みたいなことはよく言われるので知っている人も多いでしょう。
でもここでは「太る」どころか、「健康に悪い」ですからね。
大昔から米を主食として生活してきた日本人としては、「え?じゃあもう我々死ぬしかないじゃん」となりかねませんね。
本を読まなくてもこの部分に関する概要がよくわかるオンライン記事を見つけたので、合わせてご参照ください。
ちなみに、ひとことで「健康に悪い」と言っても、どのように悪いのかが気になるところです。
もし白米の摂取が多いことで、優位に発ガン性との関連が認められた、とか言われるとおいおいおいおい・・・と思いますが、ここで明らかになっている健康への害とは、「糖尿病のリスク」であるということでした。
「なーんだ糖尿病になるくらいならいっか」というわけでは決してないですが、やみくもに「健康に悪い!」と言われるよりちょっと納得できる気はします。
米もダメ、さらに豚肉も牛肉もダメなんて、もう病気になるしかない?

自分で言うのもなんですが、そして”ガチ勢”に比べればおままごとレベルかもしれませんが、私はどちらかというと健康的な食生活に対する意識は高いほうです。
だからこそこのような本を手に取り、正しい知識を勉強したいと行動しているのです。

たまにはジャンクなものも食べますが、現時点で「健康によい」と明言できるものは、無理なくできる範囲で食生活に取り入れています。
そこで、この本で得られた情報ですね。
- 白米、パン、パスタ、うどん→糖尿病のリスク
- 野菜ジュース、フルーツジュース→糖尿病のリスク
- 牛肉、豚肉→大腸ガンのリスク
- ソーセージやハムなどの加工肉→大腸ガン、脳卒中、心筋梗塞のリスク
- 卵を1日1個以上摂取→糖尿病のリスク
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玄米と十割そばと野菜と果物と魚と鶏肉しか食べないなんて・・・無理だよ・・・。

真面目な人は精神崩壊しかねない
夕食の買い物で。外出先でのランチで。お弁当を作るとき。
食べるものを考えるときはいつも、本に書かれていた内容が頭をよぎるようになります。




まじでこんな感じになります。
だって、世の中はそんな風に作られてないから!
それでも私たちは、この社会で生活していかなければならないから!!!!
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白い炭水化物を日常的に食べる=糖尿病になる、とは言っていない
パニックになる前に、一度落ち着いて情報を整理してみましょう。
玄米を多く食べる人たち(週に200g以上摂取)は、玄米をほとんど食べない人たち(摂取量が月に100g未満)と比べて糖尿病になるリスクが11%低かった。
この研究によると、1日50gの白米を玄米に置き換えることで糖尿病のリスクを36%下げることができると推定された。
日本人は何事も「食べすぎなければ大丈夫」というあいまいな結論に持って行きたがる傾向があるが、残念ながら、日本人が大好きな白米は「少量でも体に悪い」と言っても良いだろう。
(中略)
白米の摂取量が1杯(158g)増えるごとに糖尿病になるリスクが11%増えるとされた。
日本人においても白米の摂取量が多ければ多いほど糖尿病になる可能性が高くなることが明らかになった。
論文では、男性では、白米を食べる量が(ごはん1杯160g換算で)1日2杯以下のグループと比べて、1日2〜3杯食べるグループでは5年以内に糖尿病になるリスクが24%高いことが明らかになった。
(すべて『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』本文より引用)
外国人を対象とした研究でも、日本人を対象とした研究でも、「統計的に白米の摂取量と糖尿病の罹患に優位な関連が見られる。という事実がある」ということですね。
めちゃくちゃ白米を食べる人(もちろん炭水化物として白米だけを食べて生きているわけではないだろうが、わかりやすく単純化して)のほうが、あまり白米を食べない人、そして白米の代わりに玄米などの茶色い炭水化物を食べている人よりも糖尿病になりやすい。
なりやすい=なる、ではないです。
人間が何らかの病気を発症するプロセスは複雑で、一つの栄養素をたくさん摂取した→Aという病気になる。とすっきり定義できるほど単純なものではありません。
全社会がオフィシャルに有害性を認めるタバコでさえ、喫煙者が100%肺がんになるわけじゃないですもんね。
全然違う病気で死ぬこともあるし、肺気腫になったり、咽頭がんや喉頭がんや舌がんになる場合もありますね。

日常的に白い炭水化物を食べない人なんて、実際日本にそんなにいない
こういう肌感覚でものを言うのは、巻末にびっしりと引用文献を掲載されている素晴らしいこの本を前にするとこの上ない愚行のようにも思えますが、これまで何千人もの患者さんの入院生活を見てきた身としてひとつ言いたいのは、
白い炭水化物をあまり食べないようにしている、という日本人はほとんどいないということ。
そして、その中で
予備軍も含め、糖尿病の人はもちろん大多数ではないこと。


参照:日本生活習慣病予防協会、厚生労働省 平成28年「国民健康・栄養調査」の結果
国が発表している平成28年の調査結果によると、
「糖尿病が強く疑われる者」は男性16.3%、女性9.3%
「糖尿病の可能性を否定できない者」は男性12.2%、女性12.1%
だそうです。
この数字を高いと思うか低いと思うかは人それぞれかもしれませんが、ここで私が言いたいのは

著者の津川先生も、Twitterにぞくぞくと寄せられる同様のコメントのひとつに、こう返信されています。
素晴らしいと思います。白米をゼロにする必要はもちろんないと考えます。量を減らすか玄米などの「精製されていない炭水化物」に置き換えることをおすすめしています。#究極の食事 https://t.co/9iRoqkKcGu
— 津川友介 (@yusuke_tsugawa) April 22, 2018
これだけの科学的根拠が揃っているなら、「白い炭水化物」の摂取が糖尿病のリスクを高めることは事実として認めるしかありません(つらい・・・つらいけど、こればかりはどうしようもありません)。
でも食事以外に、余計に摂っている糖質が絶対ありますよね?
それらを自覚し、できるなら対処した上で、ご飯を玄米に変えたり、成城石井で玄米100%のパンをまとめ買い・・・など試してみるのもいいかもしれません。

「赤い肉」など、本書で述べられているその他の食品についても考え方は同じです。
とりあえず医療従事者・トレーナーの方は絶対に読んだほうがいい一冊
ネット上でも盛んに言われていますが、この本のすごいところは、巻末に24ページにもわたって記事の内容のソースとなった引用文献が掲載されていることです。
これはもう大学の講義を1セメスター受けたようなレベルです。
それが税込1,620円ですからね!激安かよ!!
著者のツイッターによると、発売10日ですでに10万部売れているそうです。
ということは、あなたのクライアントもすでに持っている情報である可能性も高いです。
さらに、専門家や研究者でなくても信頼できる場所にある情報にアクセスするための、Googleを使った検索の仕方(とGoogle翻訳の仕方)まで丁寧にレクチャーしてくれているという懇切丁寧っぷり。
こんな本、今までに見たことがありません・・・!
書店では売り切れて見つからないことも多いようなので、Amazonや楽天で購入するのがおすすめです(私も楽天で予約して書いました)。
まとめ
- 【究極の食事】は、正しいエビデンスの読み方を知り、リテラシーを高め、根拠のない情報に惑わされない思考力と判断力をつけるための本
- 事実は事実!得た情報を自分の生活にどう当てはめるかは、自分の頭で考えよう
- 専門家でなくても、大学講義レベルの食のエビデンスを本屋さんで気軽に手に入れられる時代。健康産業に携わる人は置いて行かれないように常に勉強しよう

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