こんにちは。ゆうこりん(@koji_i003)です。
ATC(アメリカのアスレティックトレーナー)の人たちがたびたび引用する、「ポジションステイトメント」って何?どうやって読めるの?
と一度でも思ったことがある方のために、この記事を書きました。
スポーツ現場の安全や医療に関わる人は絶対に知っておいて損はない、信頼できるソースなので、ぜひご紹介させてください。
今回はうだうだとした前置きはなしにして、さっそく本題に入りましょう!

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目次
ポジションステイトメントとは
▲引用:NATA公式サイトより
まずポジションステイトメントとは、NATA(National Athletic Trainers’ Association=全米アスレティックトレーナーズ協会)が発表している、アスレティックトレーナー(AT)が職務を果たす際に「指針」となるような文書です。
各トピックに関しての専門家チームが著者となり、科学に基づきピアレビューされた研究である、と説明されています。
ポジションステイトメントのトピック
トピックはAT教育のカリキュラムで必ず扱うようなもので、たとえば
- 熱中症
- 脳振盪
- ACL損傷
- スポーツにおける突然死
- 足関節捻挫
- 落雷
- 小児のオーバーユース障害
- アスリートの摂食障害
- 1型糖尿病を持つアスリート
- 喘息
- 皮膚疾患
などについてまとめられています。

ポジションステイトメントのアクセス方法
NATAのサイトに行けばポジションステイトメントの全文にアクセスできます。☟
これはログインが必要ないページにあるので、NATAの会員でなくても見れます。
だから誰でも、もちろん世界中のどこからでも読めます。嬉しい!
NATAの公式サイトにアクセスしたら、
「News & Publications」→「Press Room」→[statements]→[position]
と移動していけば、現在までに発表されているポジションステイトメントがこんな感じでずらっと出てきます。
▲NATA公式サイトより
PDF形式になっているので、ダウンロードして好きなデバイスに保存して読むのも簡単です。
ポジションステイトメントをなぜ読むべきか

「教科書で習ったようなことが、いろんな文献をもとに詳しくまとめられてるだけでしょ?」と思うかもしれません(それだけでも相当読む価値ありますけど!)。
違うんです!
私がすでに物質として持っている教科書はもうこのままアップデートされませんが、ポジションステイトメントは常に専門家らの間で改良・改定され続けています。
古いものでは2002年に発表されたものもあり、最近パブリッシュされた論文などに比べると”最新”ではないかもしれませんが、日々の実践において参考にする情報源としての信頼度は圧倒的に高いです。
アスレティックトレーニングの実践に関して、ソースが欲しいときは間違いなく頼りになります。

NATAポジションステイトメントの免責事項
ポジションステイトメントについてこの記事を書くにあたって免責事項を確認したところ、次のように書かれていました(訳:私)。
ここの部分、私は初めて読みました。
まあ当たり前といえば当たり前のことがただ書かれているのですが、「これにすべて依存してケアするんじゃなくて、状況に応じて自分で考える際の参考にしてね」ということですね。
でもこんなに英語を読むのはツライ・・・という人へのちょっとしたアドバイス


私は24歳くらいまで受験勉強のための英語の勉強しかしたことがなく、使える英語の読み書きなんて全然できなかった「純ドメ関西人」でした。
それが、TOEFLで基準点なんとか取ってアメリカに乗り込んだとはいえ、突然「じゃあ2日後の授業までにここまで(教科書20ページくらい)読んできてネー☆」みたいな環境に行って、「いや、読めるかーい!!」ってズッコケそうでした。
実際最初の頃は1ページ読むのに30分以上かかって、もう予習で教科書読みながら寝てるくらいでした。
だから、100%を目指すのはそっこーで諦めました。
でも「完璧に読もう、全部理解しよう」とさえしなければ、要点はちゃんと頭に入るのです。

あとこれは、2年半しかアメリカに住んでいない私が身にしみて実感していることですが、
「英語の勉強のために、英語を勉強する」よりも、
「何かの知識を得るために、英語で勉強する」ほうが、圧倒的に早く英語が身につきます。
なので、興味があることを英語で読んだり調べたりするって、その知識+それに付随する英語も一気に吸収できて一石二鳥!!
NATAの公式サイトから誰でも無料でアクセスできる「ポジションステイトメント」、ぜひ活用してくださいね!
【おまけ】

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以前記事に書いた仙台大学のAT部でも、ポジションステイトメントを活用して勉強会をされているそうですよ。