こんにちは。ゆうこりんです。
このご時世、いわゆる”トレーナー向け”のセミナーも、たくさんオンライン上で開催されていますね。
今回は、私も会員として所属するJATO(ジャパン・アスレティックトレーナーズ機構)が開催した「第2回 U25&アスレティックトレーニングスチューデントセミナー」がとてもよかったので、その感想をちょこっとシェアします。
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JATOによるATスチューデントセミナーの背景
まずこのセミナー開催の背景についてですが、本来この初夏の時期って、NATAのAnnual Meetingがアメリカのどこかの都市で開催されているはずなのです。その中でJATOは毎年、日本人のアスレティックトレーニング学生向けに「スチューデントセミナー」を企画されていました。
ところが今年は新型コロナウイルスのパンデミックの影響でNATAのミーティング自体が開催中止となってしまったので、JATOの理事会の方々が代わりに企画してくださったのが今回のオンラインセミナーなのです(そうですよね?もし違ったらすみません笑)。
ただそのおかげで、アメリカでアスレティックトレーニングの勉強をしていない人も、どこに住んでいる人でも、無料で参加できる!という神セミナーとなったわけです。これは少しでも興味があった人にとってはラッキーでしたね。
最初はタイトル通り「25歳以下」などの参加条件があったのですが、25歳以上でも聴きたいという要望が多かったそうで、急遽年齢制限を撤廃して、どなたでも申込みできるように変更されていました。嬉しいですね。結局この日の参加者は350名ほどになったそうです。
▲私が2016年に参加したNATA Annual Meeting
他人の話が、自分の過去を振り返るトリガー
さて、本題です。メモを取りながら聞いていたわけではないので、私の記憶に残ったお話を中心にさっくり書きます。
1人目のスピーカーは日本バスケットボール協会所属の佐藤晃一さん。2人目は、ダイスさんこと山口大輔さん。東京医科歯科大学スポーツサイエンスセンターに勤務されています。お二人ともアメリカではNBAのチームでお仕事をされていました。
今回のトピックは「キャリアパス」ということで、普段ご登壇されるセミナーなどではなかなか聞けないような、彼らの中高生だった頃のエピソードまでじっくりさかのぼってお話してくださいました。
こういう話を聞くと、AT界のスーパースター的な存在の彼らでも、10代のときは普通の子供だったんだなぁなんて、当たり前のことを知ってなんだかちょっと安心します(笑)。
他人の過去の話を聞くと、自分はその当時どんなことを考えて暮らしてたかなあとか、勝手に脳が振り返りをはじめてくれるのも面白いですね。そういう刺激を入れてくれるのは、こういうテーマのセミナーならではではないでしょうか。
「Be You」
「Be You」というのは、このセッションを通してキーワードとなった言葉だと思います。Twitterでセミナーの感想をつぶやいている参加者からも、このワードは多く出ていました(#JATOU25 で検索してみてください)。
結局、どんなキャリアパスを歩むかって「自分はどうありたいか」を考えることですよね。
就職とか採用って、自分ではどうしようもない外的要因の影響が大きすぎて、どれだけ綿密に計画立てて行動していたとしても、必ずしもその通りになるわけじゃないことがほとんどです。巡り巡って最終的に望みの場所にたどり着くことはあっても、思い描いた通りの道筋をまっすぐ通って到達することなんて、あんまりないんじゃないでしょうか。

私が20代前半のときは、mixiとかTwitterとかのSNSはそれなりにもうやってましたけど、それでも全然自分の生活範囲を超える世界の情報とか、身近でない人生のことなんて知らなかったし、考えもしなかったし、視野がめっちゃ狭かったと思います。
そのときに考えられる範囲で目指してたものって、やっぱり「純度の低い意思」だったなぁって、今振り返ると思います。周りの友人とか、大学の先生とか、バイト先の大人とかが話すストーリーの中から、自分がよさそうと思うものをなんとなく選んで、切り貼りして作った夢って感じでした。知らないことは思い描けないですからね。
今では、あのときよりもっとはっきりと自分が「本当はどうしたいか」がわかるようになったと思いますが、20歳そこそこの頃は経験値や何もかもが足りなさすぎて、今ほどの深さで思考できませんでした。
若い皆さんは、もし今の時点で自分にとっての「Be You」がどういうことなのかよくわからなくても、焦る必要はないと思います。何歳になっても「Be You」の明確な答えなんてなくて、ずーっと、人生をかけて探究し続けるものだと私は思います。
「憧れ」と「本当の楽しさ」は違う
晃一さんが、GA時代に「パーティーしたりクラブ行ったりして、それはそれで楽しかったけど、あぁ、自分はこういうのを楽しむタイプの人間じゃないんだなということがわかった」という話をされているのを聞いて、思い出したことがあります。
私でいうと、「超満員のスタジアムの歓声に包まれながら、サイドラインに立つ」とかに、どうしても憧れを持てませんでした(笑)。わざわざアメリカまでアスレティックトレーニングを勉強しに行く人の多くは、一度はそういう舞台を夢見るものみたいですが、あまりに私の動機とかけ離れすぎていて、アメリカに行ってから初めて、そういった概念を知りました。
別にお前も大歓声のスタジアムのサイドラインに立つことを目指せ(?)とかって誰かに脅迫されたわけじゃないんですが、私も「できるだけ高いレベルのフットボールで経験積まなきゃ!」とかPeer pressure的にすごい感化された時期があって、めっちゃ勉強して、アピールして、クリニカルコーディネーターに実習先の直談判とかして、2年目の秋はIvyリーグのブラウン大学のフットボール部に実習に行くことができました。
▲いつかのどこかのスタジアム。ハーバード大学だったかな?
もちろんすごく学びがあったし、間違いなく素晴らしい経験でやってよかったんですけど、正直に言って、もー本当に大変でした。
とにかく雑用が多い。用意する水の量も多い。選手の体がとにかくでかい。雨の日もずーっと外で立ってなきゃいけない。遠征の日の拘束時間がやたら長い。
あの場所にいる人間の中で、一番体が小さくて一番力が弱い私が、雨の中何ガロンか知らんけど水がいっぱい入ったタンクを2つとか引いてるの、なんかめっちゃ効率悪くない?って、当時は本当に一生懸命やってたから思わないようにしてましたが、実はうっすら思ってました。もうここでそんな風に思ってる時点で、私はこの道を歩いて幸せになるタイプの人間ではないと察しました。
タフな現場で活躍できるATCはカッコいいです。私も憧れたくなったことがあったので、わかります。それを全く否定しません。
でもそれは、私じゃない。私が目指すべき姿じゃない。と思いました。
昔は、こんな風に思うやつはATCを名乗るべきではないのではないか、くらいに自己嫌悪したりもしましたが、「体力的にしんどいことは、よっぽどの理由がないと頑張れない」って、普通のことだと思います。
カッコいいけど、元々憧れていないものを無理して目指す必要もないと、潔く認めることにしました。
私には、私にしかできない世の中への貢献の方法がある、と今は思っています。
▲手前の、やけに小さい人が私です
火をつけてくれる存在
ダイスさんが学生時代、「同い年でいろんなチームで経験を積んだ日本人が大学院に入ってきて、GAとして一緒に仕事した。それがすごく刺激になり、同じ日本人で同い年のアイツにできるなら、俺にもできるんじゃないかと思えた」という話がありました。
ライバルの存在、すごく大事ですよね。学生時代は、誰でも部活や勉強で「アイツに勝ちたい」と思わされる存在が同世代に必ずいたのではないでしょうか。
でも大人になると、あんまり純粋に競える相手ってだんだんいなくなってくる気がします。尊敬できる友人、目指したい先輩、そういう環境に人間関係を築けることって、終わらない自己成長には不可欠だと思います。
「自分はこれでいい」とありのままの自分をちゃんと肯定する気持ちを持ちながら、「あの人みたいになりたい」と常に上を目指す気持ちをうまく両立させるのが、大人のヘルシーな向上心の持ち方なのかな、なんて最近は思います。

JATOからは今後もいくつか無料のオンラインセミナーが開催される予定です。こちらも合わせてチェックしてみてください。
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ゆうこりん

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