「ATC」「アスレティックトレーナー」って何ですか?

こんにちは。ゆうこりんです。

突然ですが、あなたは「アスレティックトレーナー」という職業を聞いたことがありますか?

私は、プライベートの場で自己紹介をするとき

「看護師ですが、アメリカのアスレティックトレーナーの資格も持っています」

「アメリカの大学院を卒業して、ATCになりました」

などと言うことが多いです。

 

そのご挨拶をした相手の方がいわゆる”トレーナー業界”の方だったり、スポーツ医学に詳しい方だと「へえ、ATCなんだ」「看護師でATCなんて珍しいね」などという返答が返ってきますが、たとえば看護師さんとか、全然関係ないお仕事をされている方だと、

「ATCってどう言う意味?」

「日本でもなれるの?」

「”トレーナー”とは違うの?」

などと、相手の方の頭の上にたくさんのクエスチョンマークが浮かぶのが見えます。

いや、見えはしませんが、目をみると大体わかります。

状況や相手に合わせて「アスレティックトレーナー(ATC)は、アメリカでは準医療従事者として国家資格であるスポーツ医学のプロフェッショナルです。日本にも日本体育協会などが独自に認定しているアスレティックトレーナーという資格もありますが、アメリカと日本ではカリキュラムは異なるので、全く同じか?と言われれば違いますね」

とか、私も一生懸命説明するのですが、この説明を聞いてすっきりわかった!というような顔をしてくれた人は今まで一人もいませんでした・・・(そりゃそーだ!)。

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というわけで、この記事では私の説明力の全てを尽くして「アスレティックトレーナー」って、こういう資格だよ〜!というのを、できるだけわかりやすくご紹介させていただきます。

ATCって何?

前述のように、アメリカでは、アスレティックトレーナーは「準医療資格者の国家資格」なので、「自分はアスレティックトレーナーだ」と名乗るには、認定された教育機関でのカリキュラムを全て修了し、BOC(Board of Certification,資格認定委員会)の国家試験に合格して資格を発行してもらわなければいけません。

資格が発行されれば晴れてATC(Athletic Trainer Certified)となれるわけです。

つまり、「アメリカのアスレティックトレーナー」=「ATC」だという認識で間違いありません。

ATCでない人は、アメリカではアスレティックトレーナーと名乗ることはできません。

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日本の”トレーナー”事情

しかし、ここで話がややこしくなるのは、日本のいわゆる「トレーナー業界」が、アメリカのようにしっかり確立された資格体系ではないという理由が大きいです。

まずは、「日本のアスレティックトレーナーの資格」から見ていきましょう。

日本の「アスレティックトレーナー」の資格

日本でアスレティックトレーナー(AT)の資格は、私の知る限り2つの団体が発行・認定しているものがあります。

①日本体育協会公認アスレティックトレーナー(※追記:2018年4月より、日本体育協会は「日本スポーツ協会」に名称が変更されました。)

②ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定アスレチック・トレーナー

です。

日体協のATはJASA-AT、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会のATはJATAC-ATCとも表記されるようです。

日本体育協会

アスレティックトレーナー – 資格をとりたい! – スポーツ指導者 – 日体

私の周りでは、日体協のアスレティックトレーナー資格を持って活動されている人が多いです。

資格の詳細や取得の仕方は上記リンクをご覧ください。

ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会

www.jatac-atc.com

同じくこちらも、資格取得の条件などは上記リンクをご参照ください。

私もこれらの資格については詳しくないため、もし間違いや補足があればぜひ教えてください・・・!

その他の「トレーナー」の存在

さらにさらに話がややこしくなるのは、世の中で「トレーナー」として活動している人は、これまでに紹介したATCあるいは日本のどちらかのATの資格を持っているとは限らないからです。

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たとえば、

①多くの理学療法士、作業療法士、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ師などのその他医療系の国家資格を持つ方たちが、スポーツの現場でテーピングやマッサージ、リハビリ、応急手当などをする「トレーナー」「スポーツトレーナー」という肩書きで活動されています。

②フィットネスクラブなどでトレーニングを教えてくれる、パーソナルトレーナーなども、いわゆる「トレーナー」のイメージがありますよね。さらに言えば、「パーソナルトレーナー」にも資格があります(NASM-PESなど)。

ストレングスコーチ(S&C)も、スポーツ現場では「トレーナー」チームにまとめられることが多いように思います。彼らはウエイトや走り方、体の使い方などを教えてくれる、まさに体作りの専門家です。

④その他、特別な資格を持っていなくても、独自のトレーニングメソッドなどを教えることを仕事にしている、様々な「トレーナー」さんたちがいます。

一般的に「トレーナー」と聞くと、今テレビでも話題のクロスフィットトレーナーのAYAさんのように、②のような「体の鍛え方(トレーニング)を教えてくれる人」とイメージする人が多いようです。

私も「私はもともと看護師だし、スポーツ医療を学びたくてアスレティックトレーナーになった」と同僚らにもいつも説明しているのですが、趣味でジムに通ってたりしているせいもあってか「トレーナーさん、どうやったら痩せるの?」「スクワットのやり方教えて!」などとよく言われます。

もちろんそ基本的なトレーニングの勉強もしているしわからないわけではないのですが、そういう系トレーナーではないんですよ〜って、誰も聞いてない・・・。

アスレティックトレーナーって、何をする人?

さて、ここまで主に日本の様々な「トレーナー」 についてご紹介してきました。

では、私が仕事を辞めて、全財産をはたいて3年の年月をかけてまで勉強したかった「アスレティックトレーナー」とは、何を専門としている人なのでしょうか。

アスレティックトレーナー(AT)は、教育訓練、州法、規則および規制に従って医師の指示または協力を得ながら治療またはサービスを提供する医療従事者です。医療チームの一員として、ATによるサービスには、外傷障害や疾患の予防、健康促進と教育、緊急対応、検査と臨床診断、治療介入、傷害および疾患のリハビリテーションが含まれます。

ーJATO公式サイトより引用

こういう風に引用したら、つい小難しくなりますね。この引用の枠の中、誰も読んでないですね。

なので私の言葉と理解に基づいて平た〜くいうと、

  • テーピングとかストレッチとか、怪我の予防をする
  • 熱中症とか落雷とか、環境的な危険にも注意する
  • 痛みが出たり怪我をしたとき、何が起こっているのか評価し、適切に対応する
  • 怪我の応急処置をする(止血とかだけでなく、固定なども)
  • ギプスとかも作ったり、防具とか装具とかも扱う
  • 怪我をした選手が競技に復帰するためのリハビリもする
  • 脳振盪とか、拒食症とか、整形外科以外の傷害や疾患にも対応する
  • 救命救急の訓練も受けている
  • 栄養指導やアドバイスもする
  • 選手、コーチ、保護者とのコーディネーターの役割を果たす
  • メンタル面のサポートもする
  • アスリート自身が怪我の予防や安全に気を配れるよう、教育的な関わりもする
  • アスレティックトレーニングルームの予算、備品の管理などもする
  • etc…

平た〜く書いたつもりですが、いっぱいになっちゃいました。

そう、ATがやることはいっぱいあるんです!

これらはアスレティックトレーニング学の教科書に載っているような内容なので、ATといえば・・・の基本的な仕事の一部という感じです。

実際は様々なセッティングで、様々な役割を担って活動されているアスレティックトレーナーがいるので、仕事内容は本当に人それぞれです。

この「ATって、どんなところで働いているの?」「みんなどんな仕事をしているの?」という問いには私もとても興味があって、いろんな方にお会いしてはお仕事や活動内容、その方のビジョンなどをお聞きしています。

今後の記事で、いろんな場所で活躍されているアスレティックトレーナーやスポーツ関連のお仕事の方をご紹介していきたいと思っています。

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病院では看護師がいろんな専門職と患者さんとの間を取り持つ専門家であり、なんでも屋さん的なところがあるように、スポーツ現場ではアスレティックトレーナーがいろんな職種とアスリートの間を取り持ちつつなんでもやる医療職、というイメージがあるので、この2つの専門性にはどことなく通じるところがある気がして、私は両方ともが好きです。

アメリカのアスレティックトレーナーの日本語表記

さいごに。

アメリカのアスレティックトレーナー=ATCだと最初に書きましたが、いろんな日本語表記をする人がいるのも事実なので、私がこれまでに見かけたATCの書き方をご紹介して終わりたいと思います。

ATC

米国認定アスレティックトレーナー

BOC公認アスレティックトレーナー

NATA公認アスレティックトレーナー

NATA-ATC

BOC-ATC

NATABOC-ATC

などなど・・・。

NATA公認〜みたいな呼び方は、厳密にいうと正しくないです。

NATAとはNational Athletic Trainer’s Assosiationの略称で、ATCの「職能団体」です。

つまり、アスレティックトレーナーの資格を発行している団体ではありません(資格を発行しているのはBOC)。

昔のなごりという感じで、この名称を使っている人もいるなんだろうな〜ってことだと私は解釈しています。

ちなみに、私の会社の名刺には「BOC公認アスレティックトレーナー」と記載してもらいました。

長くなりましたが、少しは「アスレティックトレーナーって何?」というみなさんの疑問の解決に役立てていただければ幸いです。

ただ私もまだまだ新米ぴよぴよATC(本業はナース)です。

もちろんこの世界の全てを知っているわけではないので、もし訂正や補足などありましたら、ぜひ教えてください!

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ゆうこりん

ゆうこりん

BOC公認アスレティックトレーナー(ATC)でもある看護師です。 現在は整形外科で病棟看護師として働きながら、スポーツ医学やアスレティックトレーニングをテーマに空き時間に気軽に読めるメディアを運営。休日にスポーツイベントや大会の救護などの活動も行なっています。 内科・耳鼻科・眼科混合病棟→米大学院→スポーツ整形外科。

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BOC公認アスレティックトレーナー(ATC)でもある看護師です。 現在は整形外科で病棟看護師として働きながら、スポーツ医学やアスレティックトレーニングをテーマに空き時間に気軽に読めるメディアを運営。休日にスポーツイベントや大会の救護などの活動も行なっています。 内科・耳鼻科・眼科混合病棟→米大学院→スポーツ整形外科。